
エコ・小委員会で推奨している水光熱使用量データシートのご案内です。一般的にエネルギーは電気、ガス、油の3種類で、油にはA重油と灯油、ガスにはLPGと都市ガスがあり、それぞれ単位も発熱量も違います。このシートではCO2排出量に換算することでエネルギー使用量を統合し、それを利用客数で割り、毎月1人当たりの1日のCO2排出量として1年間の一覧表とします。
下記のデータシートで示すグレー表示のセルに必要な数字を記入すると1人当たりCO2排出量が月ごとと年間で自動的に表示される優れものです。1人当たりCO2排出量の平均値は30キログラム~35キログラムですが、目標値としては20キログラムになります。
2020年からはコロナ禍で利用客数が減っているため、2019年1月から12月のデータを記入しそれを基準として毎年のデータを比較することを薦めています。
複数の人が記載すると誤記や記入漏れなどが生じますので選任を決めましょう。最初に宿泊客数、日帰り宴会客、日帰り入浴客を記入すると、利用客数=宿泊客数+(日帰り入浴客数×0.1)+(会食客数)×0.3で自動計算された数字が記入されます。
次に水道使用量を記入します。水道水は2カ月ごとの請求が多いので、2カ月間の使用量を利用客数の比率で分割して記入してください。井水で計測していない場合は空欄とします。水の使用量はCO2排出量に影響ないのですが、水の使用量は省エネのバロメータになります。
電気使用量は電力会社の請求書から記入します。油使用量は月末に満タン計量の数字が望ましいですが、補給した時点での数字でも良いです。
ガス使用量については、都市ガスはガス会社からの請求書から記入し、LPG使用量は支払いの月次集計量から記入します。
細かいことよりも、数字の漏れがないことが重要です。この表から分かることは、(1)エネルギー全体の使用量が標準値と比べ過大でないか(2)電気、ガス、油のそれぞれの使用量が機器設備の現状に合っているか(3)年度ごとに数字を比較することで毎年の省エネの進み具合が分かります。
何よりこのデータシートを作成することでエネルギー管理の基準が分かることで無駄の排除につながります。なお、このシートは公益社団法人国際観光施設協会のホームページからダウンロードできますのでぜひご活用いただき、宿泊業界の基準づくりに役立てたいと思います。
(国際観光施設協会理事、エコ・小委員長 佐々山茂)